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zoom RSS 木地師発祥の地

<<   作成日時 : 2009/06/14 00:59   >>

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 マトリョーシカから始めて、ついに日本のロクロ誕生譚に至りました。昔の、ロクロ職人の様子です。この後、足踏み式のロクロを経て、今日のモーターを使う形になります。

 左上の人が綱を引いて回転運動を作り出します。右上の人が刃物を当てて碗を削っています。下の人は器の粗削りをしています。

 元画像を示します。
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 2009年6月7日(日)木地師資料館を訪ねました。
 資料館は筒井神社の境内にあって、電話で予告して開けて頂きました。
 常時開いているわけではありません。
 参考データを先に示しておきます。

 入館料 300円
 滋賀県東近江氏蛭谷町176番地
 電話番号 0748−24−5562
 管理責任者 小椋正美 様

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 名神八日市インターを降りて、永源寺から山道を走って、政所を経て蛭谷に向かうと、「ろくろ木地発祥の地」という看板が見えます。ここが筒井神社。境内に木地師資料館があります。
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 木地師資料館です。2階が主な展示場です。
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 箱根湯本の郷土博物館には、手動のロクロと足踏みロクロの復刻品が展示されていたのですが、こちらは撮影禁止でした。というわけで、ついに本物を撮影できたことになります。手前が手挽きロクロ、奥の箱状のものが足踏みロクロの、綱による回転を生じる部分です。
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 碗を固定している部分を拡大しました。
 チャックではなく、直接木材を打ち込む形になっています。
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 木地師の作品です。木製の円筒状のものは全て木地師の作品と考えて良いでしょう。
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 薬研(やげん)です。これも木地師の作品。
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 木地師は、この地から全国に散らばりました。
 ここは、彼らの心の故郷です。
 だから、このように東北地方の作品も展示されています。
 小田原木地師の作品もあったのですが、七福神はありませんでした。
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 この地から全国に散らばった木地師が、自由に関所を通過し、必要な木を切ることを保障した手形です。
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 木地師の祖といわれる惟喬親王(これたかしんのう、844年〜897年)像です。

 蛭谷は、鈴鹿山系の奥深くにあります。永源寺や途中の消防署で道を尋ねながら車を走らせました。
 「山中だから迷うだろう」と覚悟して早く出たので、迷いながらも約束の時間に1時ほど余裕をもって着きました。
 約1時間早く着いたのに、係の方は道に出てお迎え下さいました。
 実は、この方を見かけないと通りすぎそうな、目だたない所でした。
 「わかりにくいところだから」とおっしゃいましたが、私たち夫婦二人のためにだけ鍵を開けていただき、その後「君ケ畑」に「ロクロ職人さんがいるから」と、電話で連絡を取って下さいました。
 ご親切に対して、この場で感謝の気持ちを示しておきます。
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 というわけで、蛭谷から数キロ進んだところにある「君ケ畑」です。
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 バスの待合室のような建物です。君ケ畑ミニ展示館です。
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 左半分がガラスの反射で見にくくなっていますが、古くて白くなった手動のロクロです。 周りの木材が粗削りのままなのも、実用本位で興味深いものです。
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 紹介頂いたのが、この地唯一のロクロ職人小椋昭二さん。

 木地師発祥の地ですが、筒井神社のあった蛭谷も、大皇木地祖神社のある君ケ畑も、木地師そのものは長い間絶えていたようです。小椋さんは木材業から、独学でロクロ技法を習得されました。代々の木地師ではありません。

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 アトリエです。土台のコンクリートを打つところから御自分で建てられたそうです。
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 中を見せていただきました。
 木材は、自然乾燥で、このように粗削りした状態で積み重ねられています。
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 ロクロ師さんは、刃物を自分で作られます。
 これはピアノ線(と言っても太いので鉄棒に見えますが)を磨いて作られた刃物です。
 先端部分が刃になっています。
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 製作風景撮影後、御自宅にお伺いしました。
 作品が並んでいます。
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 木材のデコボコのある部分を削ると、このように複雑な木目が出ます。
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 その後、大皇木地祖神社(おおきみ、きじそ、じんじゃ)に案内して頂きました。
 中央が階段、左右が、車で階段を跨いで上がるよう工夫された参道です。
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 神社です。
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 すぐ側にお寺もあります。
 「惟喬親王幽棲の跡」という立て札がありました。
 「永源寺町教育委員会」という署名は、この地が東近江市に併合される前は、永源寺町だったからです。
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 横に回ると「ろくろと万年筆」という石碑がありました。
 そういえば、木軸、漆蒔絵の万年筆という高級品も、ロクロ師の作品です。
 最初はエボナイトを削ったのでしょう。

 突然お伺いしたのですが、とても親切に対応頂きました。
 心から感謝する次第です。

 ところで、蛭谷や君ケ畑へは、名神八日市インターから永源寺を経て行ったのですが、地図を見ると、国道307号線を東方に進んだ所にある百済寺(ここは、「ひゃくさいじ」と読むようです)から入る方が近そうに見えました。
 百済寺周辺を彷徨ったのですが、山に入る道が見つかりませんでした。

 小椋さんに尋ねると、「永源寺経由がお勧め」ということでしたが、百済寺へ降りる道も興味があったので、帰路はこちらにしました。

 車が離合できないような細い、曲がりくねった、橋のない川、つまり流れを横切るような所もある山道でしたが、これが正解でした。
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 木地師の祖とされる惟喬親王像です。
 君ケ畑から、少し百済寺方面に向かった所で見かけました。
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 親王陵です。
 惟喬親王が木地師の祖と言い伝えられていることは、先に書きました。
 惟喬親王はインターネット検索で情報が得られるのですが、簡単に紹介しておきます。

 彼は、第55代文徳天皇の第1皇子だったのですが、母が紀氏だったため、藤原氏系の惟仁親王(後の嵯峨天皇)に皇位を奪われる形になって、自分の荘園だったこの地に幽棲し、木地師発展に尽力したとされる人です。

 また、教典の巻物を開く時、軸が回転することからロクロを発想したとも伝えられています。

 マトリョーシカ博物館で「今日のフクルマ(七福神)を見たくないか」と館長に声をかけた時の話です。
 「日本のトーカリ(ロクロ師)はどうなっていますか」と聞かれて、はたと困りました。 マトリョーシカについてはそこそこ知っているつもりだったのですが、そのモデルになった日本の七福神や、ロクロ師の話はあまり詳しくない。
 というわけで、あちらこちら尋ね回って、ついに発祥の地を訪問しました。
 あとは、こけしを取材すれば、そこそこ知っていることになるのだろうか等と考える次第です。

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内 容 ニックネーム/日時
はじめまして。
私は自称マトリョーシカコレクターです。
幼い頃に出会ったマトリョーシカに魅了され現在に至りますが
実はロシアに行ったこともありませんしマトリョーシカの正確な知識はほとんどありません。
いろんな説を私なりに良い風に解釈しています。

貴方様のブログが私の大切な教科書になりそうです。
そして、本日、私の大好きなページの紹介をさせていただきました。
貴方様のページです。無断拝借して申し訳ございません。
もし、掲載に問題がございましたらお知らせくださいませ。

http://blogs.yahoo.co.jp/sunnysideinny

これからも興味深い授業を楽しみにしています。
103スモールナイト
2009/06/21 09:52
先生普段からこんなんしてんねんなw

中学生
2009/07/31 14:58
はじめまして。田中一幸さんの「不苦労」の絵付けを手伝っている者です。新年に、田中一幸展を福井の東尋坊近くの「ハウスアムメーア」というところで開催するため、今、準備に追われています。貴方様のブログ、素晴らしく勉強しています。よろしければ「ハウスアムメーア」のHPからコンタクトが取れますのでご連絡いただけますか?お聞きしたいこともありますので。
www.hausammeer.jp/
おちよ
2013/12/10 11:20
おちよ 様
コメント頂きありがとうございます。
大急ぎでコンタクト取らせていただきます。
drab
2013/12/11 06:14

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