応量器-加賀・山中漆器


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 応量器です。応量器→12入れ子タマゴ→箱根入れ子七福神→マトリョーシカという伝説のルーツです。加賀、山中漆器の、たに屋さんを訪ねて、撮影させていただきました。

 本画像入手の流れから書きます。
 筆者は、マトリョーシカ誕生時に箱根入れ子七福神がモデルになったという説をラリサ・ニコラエヴナ・サラヴョーヴァ著「ルースキー・スヴェール・マトリョーシカ」という書物で知りました。日本の書物やサイトではなくロシアの書物で知ったわけです。このことがきっかけでロクロ(木工旋盤)に興味を持ちました。

 上記書物でマトリョーシカ誕生時のモデルは「日本の本州からもたらされたフクルム」と紹介されています。
 また、セルギエフ・パサートにある玩具博物館では、ながらく「フクルマ」として、箱根入れ子七福神が展示されていました。
 これが2008年8月に訪問したときには「七福神」「福禄寿」という説明が加わっていました。
 箱根を訪ねて、箱根入れ子七福神最後の作家田中一幸さんにお逢いしたことは、先に本ブログで紹介しました。


 その後箱根関係のサイトをサーフィンして「1844(天保15)年頃に箱根の湯本茶屋の信濃屋亀吉という人が、みやげ物として挽物細工「十二たまご」を手掛けたのが箱根七福神の起源で、その源流は応量器という説にたどり着きました。
 「応量器」を検索していてたどり着いたのが下のブログでした。

http://shikki.blog66.fc2.com/blog-entry-276.html#more

 情報発信者は「山中の漆器屋」を名乗られる小谷口剛さん。
 この度メールを差し上げおうかがいしたところ、長時間にわたって色々と教えていただきました。
 今回は、この2009年5月5日に学んだ内容を整理することが主な目的です。

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 道路むかいから撮影しました。
 まずウェブで拾ったままペーストして連絡先を紹介しておきます。

たに屋
〒922-0274
石川県加賀市別所町2-6-2
電話 0761-77-1441
FAX 0761-77-3302

 以下、撮影させていただいた画像をもとに整理を進めます。
まずロクロを挽くまでのところから。

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 切り分けられた木材です。

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 右は材木に円を下書きした状態、左は円筒状に周囲を落とした状態です。

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 右が荒挽き、左が外挽き、この画像は文字も読めると思います。
 このように山中漆器は、木材を縦にとる、ロクロによる漆器が特徴だそうです。
 この辺りはネットサーフィンで簡単に情報が入手できるので、詳しく触れません。

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  筆者が勉強になったのは、この、下地から塗りの工程でした。

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 4、5、6の部分を拡大しました。左から順に、「割れやすい口部分に麻布を貼り付ける」「布と木地の段差を埋める」「全体を下塗りで覆う」という工程です。
 右端図に碗の断面図が描かれているのは、器をろくろに固定して回転させながら漆を塗るため、何度かに分けて漆を塗らなければならないことを示しています。
 漆を塗るためのヘラも、その都度器の形に合わせて作るそうです。

 箱根七福神に後継者がいない話を聞いていましたので、後継者について質問しました。
 漆器が仕上がるまで、「ロクロ」「下地」「塗り」の3種類の職人さんが関係されるそうですが、目立たない「下地師」の後継者が不足しているそうです。
 下地は、一番目立たない仕事です。
 漆を溶剤で柔らかく溶いてスプレーする方法もあります。
 この辺りの人件費は、品質と引き換えに省くことができます。
 これ以上専門的なことを素人の私が書いても仕方がないので、興味ある人は先に紹介したご本人のブログを参照ください。
 ただ、これだけの工程を経ると、工賃の、ロクロ、下地、塗りの比率は1、5、4だという話だけ付け加えます。それだけ下地は手間がかかるという、そして、この後継者が不足しているという話です。

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 続いて、ある書物の付録についていた白木のマトリョーシカに漆を塗られたという作品を見せていただきました。上下の継ぎ目部分が気になるところです。漆ならずとも、継ぎ目部分がきっちり吸いつくように塗装することは極めて困難です。
 参考までに、マトリョーシカも箱根入れ子七福神も、上下食いつき部分は白木のままです。

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 というわけで、棗を見せていただきました。
 蓋をしたとき、そして蓋を取るとき、空気圧の差で「フワーッと」落ちるのが良いそうです。

 仕事の精密さという意味で、小さな光が透けて見える薄く削った皿を見せていただきました。0.3ミリ厚に削った話もうかがいました。ここまで来ると鉋屑と変わらない薄さです。磨き上げた職人技とこだわりのすさまじさを感じました。
 プラスチックの安価な、しかも一見して本物と見分けのつかない商品が出回る昨今、こうした職人技を日本は守り抜けるでしょうか。

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 その後教えていただいて、資料館に立ち寄りました。
 5月3日4日は漆器祭りだったそうですが、5日は、文字通り「後の祭り」
 閑散としています。
 でも貴重な資料を撮影することができました。

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 足踏み式のロクロです。
 木材に固定された鉄棒が、足踏み部分から絡みつけられたベルトで回転するものです。
 さらに古くは、ベルト部分が紐になっていて、手で引いて回転させました。
 木地師は、奈良時代頃から江戸時代まで、そんな道具と技術で作品を作っていたのです。

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 今日の職人さんの作業場です。
 「昨日なら職人さんが作業していたのですが」という話です。
 観光客に見せながら仕事をするのは神経を使うと思います。

 座布団とチャックの関係を御覧ください。
 帰宅後確認したのですが、山中の職人さんは、回転する材料に、横から向かわれます。 以前に紹介したロシアのマトリョーシカ職人さんと同じ向きです。

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 伝統工芸師さんの仕事の様子が展示されていました。

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 写真部分を拡大しました。
 木材の回転に対して横から作業される様子がうかがえます。
 以前紹介した写真を並べます。
 
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 木材の横から作業する、セルギエフ・パサートの、マトリョーシカを削るヴァレンチンさんです。

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 同様に、横から削る、最初のマトリョーシカを作ったズヴョーズドチキンです。

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 そして、回転する木材に正面から向かわれる箱根の田中さんです。

 横から木材に向かうと棗のような奥行きある製品加工に都合がよいそうです。

 ということにしておいて・・・・

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 ロクロと塗りによる急須もありました。

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 これは砂糖壺でしょうか、スプーンが蓋の穴から突き出てリンゴの雰囲気を高めています。

 再び、以前に筆者がブログで紹介したロシアのリンゴものを再携します。
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 リンゴは、このような容器に応用しやすい果物なのでしょうか。

 今回の旅行に関して、2つばかり付け加えます。

 加賀日帰りはきついので、一泊しました。
 逆に日程に余裕ができたので、5月4日に東尋坊を見ました。
 東尋坊については触れませんが・・・・

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 そこで購入したのがこのマトリョーシカ。
 マトリョーシカと書いてあるからマトリョーシカで良いのでしょうが、正確には入れ子ダルマでしょう。
 これが1000円。
 私が調べた限り、日本の職人さんに依頼したのでは商売にならないほど安い。
 多分、中国かロシアか、どこか外国に発注したのでしょう。

 追加話題の2つめは、加賀観音温泉ホテルです。

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 これは5月5日、帰路で撮影しました。
 遠景に巨大な観音様が写っています。電信柱の間です。見えますか?。

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 これは、加賀温泉駅近くから白山の方を撮影しました。
 ロシアで話題にするための、田植えと遠山の組合せです。

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 振り返った景色がこれ。
 巨大な観音様です。この像の足元のホテルに宿泊しました。

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 連休に入ってから、急にホテルを探したのですが、トイレ付きバス無し、但し露天風呂を含む温泉入浴料込み、一人一泊、素泊まり3500円。
 とても、安く上がりました。
 写真は、本館ですが、こちらは閉まっているようでした。
 筆者が宿泊したのは写真の右にある別館です。
 因みにロシアのホテルは税金が100%なのでとても高くつきます。

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  • まとめ直してみました

    Excerpt:  筆者のろくろ初体験です。鳴子の松田工房さんでお世話になりました。  自分で削ってみて、一寸感じるところがありました。  というわけで、マトリョーシカ、箱根七福神、ろくろの作品などについて、今.. Weblog: ROKO racked: 2009-08-23 02:11
  • 20100101新春の御挨拶を申し上げます。

    Excerpt: 新春の御挨拶を申し上げます。 Weblog: ROKO racked: 2009-12-31 21:54